第233回 佐保カルチャー「秋の京都 無鄰菴と琵琶湖疎水記念館を訪ねる」を開催しました。

 

 実施日 平成30年11月28日(水)

 参加者 35名

 

 明治・大正の元老山縣有朋の別荘「無鄰菴」、その母屋の二階で、北口照美氏(S48家住)に庭園、文化財についてお話を伺いました。山縣は、それまでの日本庭園とは違う明るく開放的な庭園を望み、彼の思いを表現したのが七代目小川治兵衛だとのこと。まるで東山から流れ出したような水が芝生の中を流れ、水の中の石を沢跳びで渡ると水の動きが足元に伝わってくるような「五感で味わう庭」として作庭されています。また、借景とは、単に後ろの景色を借りるという意味ではなく、いかに東山と庭をつなぐかということだそうです。この日は琵琶湖疎水から引き込んだ池に紅葉が映り込み、時折そよぐ風を受けて葉っぱがハラハラと舞い落ちるさまに心ゆくまで日本の秋を堪能させてもらいました。

 洋館には、日露戦争開戦前に山縣と伊藤博文、桂太郎、小村寿太郎による無鄰菴会議が開かれた部屋が残されており、重厚な部屋での緊迫した会議の様子に思いを馳せました。

 その後訪ねた琵琶湖疎水記念館では、明治以降の京都の近代化に重要な役割を果たした疎水の計画と建設の過程を見ることができました。この事業は、現在放映中のNHK「西郷どん」西郷隆盛の長男菊次郎が京都市長在任中に行われたものであり、彼の生涯が展示されていたのがタイムリーで興味を引きました。

 お昼は湯豆腐の「順正」へ。真っ赤に燃える紅葉を見ながらたっぷりと豆腐を賞味。

 予報で雨マークが出て天気が心配されていましたが、朝から穏やかな日和となり、紅葉真っ盛りの京都を満喫した一日でした。