第227回佐保カルチャー

   講演会古事記にみる女たちを開催しました。

      講師:裏 紫都子氏(昭和35年国文卒 松裏 貞子)

     平成29年6月24日(土) 参加者74名

 

 古事記が書かれた時代は日本文化が形成された時であり、日本古来の文化と思われているものは、実は南方の島や大陸から渡ってきた人がもたらした文化が融合して作り上げられたものであること、また、鉱物資源を握ったものが生産性を飛躍的に向上させ、国を統治していったことなど、古代の王権が成立するまでの過程を、地図や系図の資料と豊富な歴史の知識でわかりやすく説明して下さいました。

 そして、古事記に登場する女性を、妻は実家の「外交官」であったこと、うはなり妬み(後妻への嫉妬)は前妻の特権であったこと、相続制度が変わると社会が変わることなど、現代と変わらない女性の生きざまとして話され、北条政子や淀殿など歴史上の女性にも相通じる人間的な側面は私達にも通じるもので、遠い昔の古事記が、現代と何ら変わらない世界であると感じさせられました。

 狂言の所作を交えた迫力ある力強い話し方や、オペラの話も飛び出す講演は、佐保会大阪支部や高齢者大学で大人気という噂にたがわず、たいへん面白く、古事記の世界に引き込まれた2時間でした。