第226回佐保カルチャー

      宇陀の旅

    森野旧薬園・奈良カエデの郷「ひらら」・宇太水分神社を開催しました。

           平成29年5月13日(土)参加者30名

 あいにくの悪天候でしたが、幸いにも午後になって雨も上がり、雨つゆに打たれた眩いばかりの新緑と落ち着いた町を楽しむことができました。

 城下町として栄え、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている宇陀松山町、往時を偲ばせる数々の旧家が残る街並みを散策。その後、森野旧薬園へ。代々、葛粉製造に携わっていた森野家が享保年間、幕府から頂いた貴重な薬草木を自宅の裏山に植え、研究したのが薬草園の始まりです。日本最古の薬草園として、現在も約250種類の薬草木が植えらています。この日は、薬草園の原野さんの案内で、雨に濡れた険しい山道を登りながら、カザグルマ、エビネ、二人静、トウキ、日本スズランなど、数々の珍しい薬草や花木を見ることができました。

 奈良カエデの郷「ひらら」は、旧小学校の元運動場に世界のカエデ1200種3000本が集められています。色とりどりの新芽がみずみずしく輝く風景は圧巻! 寄贈した元写真家・矢野正善さんの案内のもと、カエデの奥深さを知ったひと時でした。

 宇太水分神社は大和の東西南北に祀られた四水分神社の一つで、三棟が並ぶ本殿は鎌倉時代の建造、国宝に指定されています。神社の氏子総代の方に、式年造替時に鮮やかに塗り替えられた蟇股など、詳しく説明して頂きました。

 宇陀の町を歩くと、どの家の前も綺麗に掃き清められ、よく手入れされた花の植木鉢が置かれています。700年前の神社も美しく維持され、この地域の方々の心意気にも感動した一日でした。