第222回佐保カルチャー報告 2016年6月6日(月)

   「水のゆくえ」-浄化センター見学 を実施しました。

 

 普段、当たり前のごとく使っている台所や風呂、トイレの水が、どこへ流れ、どのように処理されているのでしょうか。奈良県北部で使われた水は、昭和49年から県中部にある奈良県浄化センターできれいな水に処理して大和川に放流されています。人口の著しい増加と生活様式の近代化にともない、大和川の水質は急激に悪化しましたが、当センターの稼働により、昭和45年31.6㎎/ℓ(BOD75%値)から平成26年2.7mg/ℓ(BOD75%値)となり、約1/12まで改善されました。(BODは、生物化学的酸素要求量、水の汚れを表す指標で、小さいほどきれいです)

 浄化センターには、毎日、24万トンの汚水がたどり着いていますが、化学薬品は使わず、14時間かけて微生物や空気の力できれいな水にもどしています。甲子園球場の15倍という広さのセンターには、「最初沈殿池」「生物反応槽」「最終沈殿池」などが並び、「生物反応槽」がずらりと並べられた建物では、嫌気槽のふたを開けて、汚水に微生物と返流水を加えて撹拌する様子を見せて頂きました。

 川を汚す原因の72.8%は家庭の生活排水だそうです。家庭でできる取り組みとしては、食べる分だけ作って残さない、汚れは拭き取ってから洗う、食べ残しは流さない、この3点を必ず守ってほしいということです。

 生活に密着した今回の見学会、とても活発に質疑が交わされました。

 

 なお、この企画は、第57号佐保会奈良支部だより掲載の、伊吹幸代さん(奈良県庁職員で、現在、奈良県浄化センターに勤務)の会員便りから、早速、実施されたものです。