第220回佐保カルチャー報告

 

  「奈良には古き仏たち(1)」新薬師寺の仏たちーを開催しました。

 

   桜の花もチラホラと咲き始めた3月22日、奈良教育大をお借りして、奈良国立博物館名誉館員・鈴木喜博氏に新薬師寺の

 薬師如来像と十二神将像の解説をして頂きました。教育大の講義室をほぼ満席にする盛況で、37名の参加者がありました。

 大きな写真入りのレジュメを使って、現在の職業や企業のシステムになぞらえた鈴木氏のユーモア溢れる語り口に、皆、熱

 心に耳を傾けました。

  光明皇后が聖武天皇の眼病平癒のため(全く逆の説もあり)に建てたという新薬師寺の薬師如来は、大きく見開かれた眼

 と関取を思わせる巨漢の体形が特徴だとのこと。また、薬師寺や唐招提寺、平等院鳳凰堂など、他の寺の仏像との造形的な

 対比について説明を受け、今後の仏像を見る時のポイントを教えて頂きました。

  その後、新薬師寺への移動の途中で、奈良教育大構内で平成20年発掘された新薬師寺の金堂跡を見ました。残念ながら、   現在は埋め戻されて、その看板が出ているだけです。

  新薬師寺では、鈴木氏の説明を受けながら、今までとは違った視点でそれぞれの仏像を拝観し、いにしえびとの熱い想い

 に触れることができたひと時でした。